11月19日(土)
あらためて京都府庁。

 

京都の近代建築を廻るとき、
京都府庁も欠かせない、と写真も撮っていましたが、
実は内部は入っていませんでした。

11月2日〜6日、
京都府庁の一般公開があり、さっそく行ってきました。

それにしてもこの景色、
いつ見てもいいなあ。

三連窓とその上の丸窓、
三角形ペディメントは彫りの深い彫刻。

角柱の上部はコリント式。
ルネッサンス様式のファサードが、
近代建築ファンにはたまりません。

斜めから見ると凹凸がはっきりします。
車寄せの上がバルコニーになっていますが、
もちろんそこに立ってみたい!
一般公開を聞いて一番にそう思ったのでした。

よ〜し、行くぞう!

入り口では職員の方が丁寧な説明をしてくださいましたが、
ややこしい記帳もなく、
いたって自由に見学させてもらいました。

ちなみに、
車寄せのスロープを上から見るとこんなデザインです。

このカーブと左右のポッチンを覚えていてね。

これは回廊から中庭に出る階段ですが、
このデザインも車寄せスロープと同じにしているところが分かります?

明治34年起工
明治37年竣工 (1904年)
設計は松室重光(京都府技師)

隣に新庁舎が建ったとは言え、
1世紀経った今も現役で府庁のつとめを果たしていること、
それこそがすごい!と思わせるのでした。

 


中庭を囲む口型の設計になっていて、
回廊が各会議室をつないでいます。
このようにガラスもなく、
柱だけで外部と内部が分けられているなんて
ギリシャ神殿や寺院を想像させます。
私の好きな場所です。

さあ、中に入っていきましょう。
北海道庁はその大きさに圧倒されましたが、
大きな階段、安定感のある階段という意味でも負けてません。

私の出た小学校もいい階段でしたが、
ミシミシと音がしました。
近代建築でありながら、やっぱ小学校ごときはそんなものかな。

このどっしりとした階段はすてきです。

2階は赤い絨毯の敷かれた廊下。
一般公開というのに、人影もなく、
この空間を一人で楽しみました。

ええわあ〜!

 

 

しつこいって?
回廊式の設計なので、やっぱりポイントは廊下かなぁ・・・
ってことで。

ほんとに良かったのです。

シンメトリーにデザインされた庁舎の中央、
正面玄関の上が「正庁」という部屋です。

いろいろな大事な式典もここで行われています。
かといって、それほど広くもなく、
ほどよいコンパクトさではありますが、
シャンデリア、天井、壁紙、カーテン、ドア、
すべてが丁寧に豪華につくられています。
その正庁にあのバルコニーに出るドアがありました。
観音開きでもなく、あくまでコンパクト。
でもワクワクする瞬間です。

暗い部屋からバルコニーに出ると、
パーッと明るい視界が開けます。
真っ正面に道路が延びているのが見えます。
広い道路はわずか何百mで御池通りにぶつかる、
いわば府庁に入るための表道路なのでしょう。
もちろん府庁の敷地ではないのですが、
並木道も含めて贅沢な空間、それを見渡せるバルコニー。
とっても気持ちのいい場所でした。

そのバルコニーに敷いてあるタイルです。
微妙に焼き色が違っているから、
見た目に深みが出ています。
昭和46年まで知事さんが使っていた知事室。
暖炉有り、重厚な家具有り、
大文字さんが望める窓あり。

家具も一つ一つ見ていくとおもしろい。
これは比較的新しいデザインですが、
それでも近くで見ると彫り物が凝っているのですよ!

各部屋に職員の方が待機して説明してくれます。
見学者が少ないと、もう各部屋全て個人授業受けられるわけで、
ホント、お得な一般公開でした。

この他コート掛けやら、すごい家具が展示されていましたが、
最近までその価値が分からないまま、倉庫でほこりをかぶっていたとか・・・。
近代建築ブームによって、救われたモノも多かったのでは?

天井のレリーフ。
美しいでしょ?
壁紙、ドアの彫り物、シャンデリア、
暖炉のタイルの模様、・・・・
細かい所まで見て回ると時間があっという間に経っていきます。

階段の手すりも、
100年という間に何人の人が触っていったでしょう。
彫刻が擦れて丸まった感触が、とっても優しい感じです。

新しい庁舎でほとんどの業務は行われているのでしょうが、
それでも 100年経った今も現役で会議室は使われているということ、
そこに京都らしさが出ているように思います。

京都はこの日もどこもかしこもいっぱいの観光客でにぎわっていましたが、
私はひっそりとした秋の午後を過ごしたのでした。

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