12月22日(水)
ダイビルは2008年には取り壊される!

 

四つ橋筋から西へ中之島通を歩くと
<花のサトウ>という 花屋さんがありますね。
そのあたりから、ダイビルになります。
彫りの浅い窓や華やかさにかける平坦な外観は
若い頃の私にとっては魅力のある建物とは言えませんでした。
<ダイビル>がそこにあるのは、当たり前のこと。
そんな中之島の当たり前の風景が、また変わることになりそうです。

このビルは、2008年に取り壊しされることが決定しています。

死の宣告を受けたようで、
私はそんなノスタルジックな気持ちで逢いに行きましたが、
本人はいたって元気。

入り口です。
左右のかなり凝った柱が、重々しさを強調していますが、
今は、たぶん後につけられた屋根や、ガラスドアで、
ちょっとちぐはぐな感じを受けました。
柱の前に、左右対称に灰皿が置かれ、
煙草を吸いたくなったサラリーマンがこうして出てきて、玄関で吸っています。

 

そう、このビルは大正14年からずっと、
大阪屈指のオフィスビルとして時代の推移を見守ってきたのです。
高度成長で頼もしいお父さんの姿も、、
バブルがはじけてあわてふためくお父さんの姿も、
禁煙運動に押されて吸う場所がどんどんなくなってきた悲哀のこもった背中も、
ずっとずっと見てきたのです。

ビル全体のデザインに比べて、
正面入り口の重厚なレリーフや彫刻などの飾りは、
どうしたものでしょう。

これらは、東京美術学校出身の彫刻家、大國貞蔵が手がけたそうです。
この部分だけを見れば、
大型オフィスビルの大御所として君臨するにふさわしい入り口と言えます。

このダイビルで一番素敵なところは、
このエレベーターホールではないでしょうか。

ちょっと分かりづらいでしょうが、
エレベーターホールの上は吹き抜けの2階の天井が見えるようになっています。

こちらがその天井。
なんと豪華なレリーフでしょう。
オフィスビルにこれだけの装飾が必要なの?と、
他のデザインのあっさりさに比べて、
えらいこだわって、凝っているのが分かります。

はい、これでもうちょっと良くわかりますね。
2階のエレベーターホールです。
贅沢な空間ですね。
 
と思えば、階段の手すりは大理石ですが、
そのデザインはモダーンな印象を受けます。
きっと最初の頃は、けがをするほどではなかったと思いますが、
長い年月にみんなが手を添えてきた大理石の角は、
やさしい丸みを帯びてきています。
あ〜、これも壊しちゃうのか・・・。
なんと!
各階の廊下に郵便ポストが設置されています。
わざわざ下に入れに行かなくても、ここからポンっと入れて、ストンと下に落とす!
時間を短縮できる!
ああ!
時間を惜しんで一生懸命働くビジネスマンの姿が見えるようです。
トイレも気になって入ってしまいました。
「婦人用」は、あまりおもしろみはなかったのですが、
「男子用」は、この大きな鏡が良かったです。

あ、ほんのちょこっとのぞいただけです。
誰もいらっしゃらなかったです。
ホント、中に入っていません!
あ〜、ごめんなさ〜い!

地下に行く階段は、ドアもないので簡単に行けました。
誰でも簡単に地下階に行けます。
普通の人は、すぐに関係ない場所だとおもって引き返すでしょう。
もっと奥は、このようなドアで閉ざされていますから進めません。
もちろんここから先は入りませんでしたよ。
でも、地下は地下で、時代が止まったようなおもしろい空間でしたよ。

このドアもなんかすごい。
廊下の横には、「これ、いつの時代の救急ベッド?」
というようなものも置いてありました。
空室倉庫もあり。

おもしろい探検でした。

なにやら怪しい地下から脱出して、
一転して今度は屋上に出てみましょう。

広い広い屋上は、
お父さんたちの憩いの場所?
昼休みにOLと若い社員はバレーボールなんかするの?
松本清張の小説に出てくる会社の屋上はきっとこんな感じ・・・。

ああ、空がまぶしい!

左のビルは国立国際美術館です。

大阪のビジネスビルって、屋上においなりさんって多いですね。
(東京もそうなのかどうかは、関西人の私には分からない)
ダイビルもご多分にもれず、りっぱな祠が建っていました。
商売も神頼み。
近代建築だけど
そこは譲れないのね。

屋上の機械室もスクラッチタイルでお化粧されています。

ところが長い年月でお化粧もぼろぼろ。
私的には、この時代感がいいわけで・・・。

<花のサトウ>も
ダイビルをバックにすることで、
いままで 素敵なディスプレイができたのだと思います。
ここだけヨーロッパの花屋さんの雰囲気。

ダイビル

大阪ビルヂング

設計: 渡辺節建築事務所/大林組
鉄筋コンクリート造8階建。地下1階

北区中之島3-6

 

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